(薬局M&A初心者向け)調剤薬局M&A 統合作業(PMI)の難所と対策!

こんにちは。薬局コンサルタントの鈴木素邦(薬剤師)です。

m&a

今日は、前回の続き、「保険調剤薬局(M&A)気軽に理解しよう!」の続編になります。前回、下記の図を紹介しました。M&Aは、結婚のステップに似ていると。。。

そしたら、、、前回記事を読んだ妻から「素邦くんはそんなことを思っていたんだね!お付き合い中は、私を見極めていたんだ〜」と言われ、我が家は冷たい空気が流れております💦そして、いやいや、喩えだよーと弱い反論をした私でした。

では、従業員から見たM&A の本日の本題に入りますね。

M&Aの契約合意時の経営陣と従業員の「時間差」

M&Aは契約合意が行われるまで、経営者とごく一部の関わる人で守秘性を高くおこなうものになりますから、大多数の一般従業員は、情報がオープンされた時に初めて聞くことになります。

経営陣は、今後の戦略に照らし合わせてM&Aが適切であるかを十分に議論した上に、買収予定の会社を見極めて条件合意に至るまで、様々な悩みや問題点を乗り越えてくるので、ある種の納得感があるでしょう。

しかし、大多数の一般従業員には、その検討された事実は伏せられており、突然に●社と一緒になりますと、オープンされるので、経営陣と大多数の一般従業員の間では、大きな時差が出現します。

従業員から見て、自社がM&Aで買収された時の気持ちはどうなのでしょう?

今まで愛着を持って働いていた会社が、突然なくなることを聞いて動揺し、「まさか」信じられないという気持ちであちこち確認したくなることが多いでしょう。

色々な声が聞こえてくるものです。

真面目に働いてきていて、患者様からの評判も上々。なぜ、自分達の会社が買収されるのだろうかと思ったりする社員、、、

今回の買収は、私は、評価されていなかったので、ラッキーだったのかもしれないと思ったりする社員、、、など色々です。

ただ、従業員には相当刺激的なことが起こっていますし、巻き込まれ事故のように感じられる感想が多いです。違う文化や前提の人達が、同じ方向性を向いていこうと構造的に変えていくのですから、人と組織に関わる厄介な問題が多く発生させることになります。

構造的な人と組織の問題への対処の仕方はどうしたらいいの?

人と組織の問題を解決していくのが統合作業(P M I)と言われるものです。

時間:最初の100日が肝心。

統合作業は、冒頭で書きましたが、経営陣と従業員で時間差が生じているため、早く取り掛かる必要があります。100日は宙ぶらりんになっている状態では、我慢限界となります。ですから、実質的には、M&Aの合意前に統合作業についていつ、どのようにするのかは予め決めておく必要があります。

内容:納得感を得られるように。

特に意識したいのは、相手の会社の文化を知ること。

アンケートの質問等を通じて、自社とどんな違いがあるのかを綿密に調査した上で、乖離しているところに対して規則として固めるのではなく、合意形成ができるように理解していただくことが大事です。

そして、伝えたではなく、伝わったか?が重要なのです。

買収された会社の従業員は、被害者感情がありますから、できるだけメンバーの声を引き出すために、ダイアログ形式(対話形式)で心理的安全性を作りつつ、合意を作っていくことが大事です。

情報変化に敏感:統合作業時に色々わかることも多い

冒頭に触れたM&Aと結婚の共通点の図を使って説明します。

婚活中では相手のことはあまり分かりませんよね。予測が外れることも多くありませんか。
その後、お付き合いをすることで見えてくることも多くあると多います。

しかし、多くの情報が入ってくるのは、生活を始めた時というのが多くありませんか。少なくとも私は、暮らしてみてわかることが多くあったように感じています、笑。

一般的にオペレーションやカルチャーは数値には出にくいので、統合作業をするレベルにならないと分かりにくいことが多いです。

ところが、薬局経営は、オペレーションって極めて大事で、過誤のリスク軽減やスピードアップの工夫が隠れていたりします。

ここでお伝えしたいのは、情報量が統合作業時に増えます。

情報量が増えれば、戦略も変わってきますから、再度練り直しながら前進していくことが強い企業づくりにつながると思われます。

M&A関連のアドバイス

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M&Aは、自社にとって関係ないと思っている経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、団塊の世代がリタイアしてくる社会事情を鑑みると成長を目指すのであれば、向き合わなければならない手法であると思います。

自社にとって良いM&Aの案件と出会えるためには、準備は必ず必要です。

準備とは、自社のビジョンを持ち、経営課題を理解し、自社で解決できるか、できないかの判断ができる状態です(詳しくは「保険調剤薬局(M&A)気軽に理解しよう!」をご覧ください)。時代の潮流が激しくなってきていますが、自社の強みを最大化し、行いたいことを実現するために、色々な手段を検討していきましょう!

弊社は、人(薬剤師、医療事務)の価値を最大化させるコンサルティングです。

10年後のビジョンを構築、戦略構築のサポート、M&A後の統合作業などもしておりますので、お気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください。

執筆者

代表コンサルタント
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有限会社クラヤ代表取締役
クラヤコンサルティング代表
薬剤師・経営学修士(MBA)
鈴木 素邦

薬局の実務、組織活性化の実務経験を活かした薬局コンサルタント。
経営戦略人事組織採用サポート)、店舗開発、運営まで幅広く、会社の状況に合わせたオーダーメイドのご提案をしています。

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