
『かかりつけ薬剤師指導料算定』=『対人業務充実』のコア要素
かかりつけ薬剤師指導料の算定率はどの位ですか?
2020年の段階で算定率は全処方箋の中で1%台です。ここ数年横ばいが続いています。
『国の方向性良し』、『薬局経営に良し』、『患者様満足度※良し』の三方よしにも関わらず、算定率1%台と浸透がしていない取組みが、かかりつけ薬剤師指導料です。
※かかりつけ薬剤師・薬局に関する調査報告書では、『自身に対応する決まった薬剤師の業務に対する総合的な満足度』について、
『大変満足しているが73.7%』『やや満足しているが23.0%』。

算定率が上がらない要因は一体?
経営面や満足度としては、算定が取りやすく誘導されているのですが、運営面では課題があると考えられます。
かかりつけ薬剤師指導料を算定する時には、制度の説明とともに、毎回60円〜100円(3割負担の場合)の負担が増えることを説明する必要があります。
運営上のボトルネック | 背景 |
---|---|
患者様から文書での署名 | 薬局スタッフが、自信を持ってかかりつけ薬剤師のメリットを説明できない |
患者様が制度を知らない | 薬局の方針が曖昧で、積極的に患者様に声をかけていない |
算定できる薬剤師の条件がある | 認定薬剤師の取得、1年以上同じ店舗勤務 3年以上の実務経験、常勤(週32時間以上の勤務) |
算定するためのアドバイスは?
基本的には、以下の表のように、配置→研修→評価の流れを作ることです。
配置 | かかりつけ薬剤師になれる人員を複数人同店舗に配置 |
研修 | 患者様の信頼を構築するための『態度、知識、技能』を改めて学ぶ |
評価制度 | かかりつけ薬剤師指導料加算を取る人を公平に評価する |
配置では、店舗毎に1年間常勤で張り付く必要があるため、1店舗に同条件の従業員を複数人配置しておくこともポイントです。
複数人配置することで、属人化させないことになります。
研修では、かかりつけ薬剤師は、『信頼できる人』に頼みたいというのが、アンケート調査で一番の決め手であるため、念頭におきながら、実績を上げている人の講話などでも良いでしょう。
評価制度では公平であることが重要です。
是非、人事評価システムの詳細説明のページもご覧ください。
なお、かかりつけ薬剤師指導料の算定がなかなかできない人には管理職と1on 1などで、個別のサポート体制を敷いていくことも重要です。
加算算定以外に薬局経営にプラスになることはありますか。
『かかりつけ薬剤師指導料を算定』=『患者様との信頼関係ができている状態』であることを意味します。
言い換えると、患者様からの従業員や店舗の満足度が上昇していると思われます。
患者様も信頼している薬剤師に処方箋を集める傾向がありますので、下記の図のようになることも期待できます。

『かかりつけ薬剤師指導料算定の促進』=『患者様満足度向上や従業員成長』です。
結果的に、短期的だけでなく長期的な薬局経営に大きなプラスをもたらすと考えられます。

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